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milumo コラム集

メガネのバカヤロー


Vol.02 デビューしちゃうの?

黒渕トオル
黒渕トオル

「生涯、黒縁メガネ。」と決めこむ、兼業フリーライター。眼鏡業界を、独自の視点で書き綴る。

コンタクトレンズ

平成の世において、安価で使いやすくなったコンタクトレンズではなく、メガネをかけている人が大勢いるこの現実。「どうしてメガネなのか?」その理由を考えてみた。

 おそらく大半の理由は“コンタクトは面倒だから”だと思う。コンタクトレンズが登場した当時、ハードタイプが主流だった為、「煮沸・消毒」など、高価で手間がかかる印象が今も残っているのではないだろうか。
 それに順じた理由として考えられるのは“痛い・怖い”だ。目に小さなゴミが入っただけでも痛いのに、「硬いレンズを入れるなんて・・。」ハードコンタクトを使用するには、実際、ある程度の覚悟が必要だった。

それゆえ、「コンタクトデビュー」などという言葉が登場した。

コンタクトデビュー

高価なコンタクトを、覚悟を決めて目に入れたメガネさんが、今までの“メガネキャラ”を払拭し、強烈なイメージチェンジを果たす事態の事である。やはり目の印象は大きく、周囲の反応も「誰あれ?」と、まるで別人の様に迎えられるケースが多い。不思議とメガネを外しコンタクトにする事で、顔の印象が悪くなる事は無く、むしろ美化される傾向がある。
 良い例が、同級生。大人しい性格の普段あまり目立たない“メガネ女子”が、夏休み明けにコンタクトレンズで登校して来る。すると「実はあの子は美人だった。」なんていう、小さな事件が学生時代の記憶として残っている人も多いのではないだろうか。
 しかし、晴れてコンタクトデビューを果たしても、必ずしも全員が温かく迎えてくれるというわけではない。つまりデビューした事を良く思わない人間も少なからずいるという事である。そのうちの何人かは、残念ながら我々メガネ戦士の同志達であり、皆、口を揃えてこう言うであろう。

「デビューしてんじゃねぇよ。」

これは、まぎれも無い“嫉妬”である。やはりコンタクトが、高価でかつ勇気を必要とするものであったが故に、羨ましさを含んだこの様な言葉が頭をチラつくのではないだろうか。
 そう考えると、「まだ、メガネ。」という考えの“コンタクト予備軍”は意外に多そうだ。昔のイメージからコンタクトを知らず知らず嫌煙し、ただ漠然と視力を補う為にメガネをかけているだけ。ふとしたきっかけで、現在のコンタクトレンズの使いやすさを知れば、躊躇無くデビューしてしまうのだ。

つまり、メガネ戦士の中には今もデビューのチャンスを狙っている者がいる。

一昔前には、ほんの一握りのスターが陽の目を見たアイドル業界の様に、コンタクトはメガネ戦士にとって、嫉妬するほど憧れの存在だったはず。それが現代、ソフトレンズの進歩や、使い捨てレンズの登場で、安価ですぐに手に入り、種類も豊富になったコンタクト。一度に何十人ものグループでデビュー出来ちゃう程、身近になったアイドルの様に、メガネ店で「あなたもデビューしてみませんか?」と、軽い一言でスカウトされれば、メガネ戦士は亡命し、フレームの無い華やかな世界へと羽ばたいて行くのだ。

 ただ、私は問いたい。

それで良いのか?メガネ戦士!?

メガネ戦士

 「まだ、メガネ。」そんな“コンタクト予備軍”がいるように、「あえて、メガネ。」そんな“メガネ愛”を持つメガネ戦士もいるはず。視力の悪さから、モヤモヤの視界で、もがき苦しんでいた遠い日、初めてメガネをかけたあの瞬間のクッキリハッキリ感、その感動を忘れるメガネ戦士はいないだろう。あの日から天命を受けたのである。

 冒頭でも述べた様に、これだけ使いやすくなったコンタクトレンズに代える事なく、メガネを使用している人が多いのには、デザインや利便性、様々な要因の他に“愛着”があるのではないだろうか。
 コンタクトに変えた後も、就寝前や休日などに使い慣れたメガネをかける人も多い。それは“愛着”から来る安心感が大きく、容姿にこだわらず、ありのままの自分でいられる、そんなリラックスした時間を作り上げている。

メガネ愛、それこそがメガネ戦士の根本だ。

メガネを外したら、「誰?」と言われてしまう。これは大きなイメージチェンジであり、印象が良ければ嬉しい反応である。しかし逆を言えば、メガネを外すと自分では無くなってしまう事を意味する。メガネはもはや顔の一部となり、個人の特徴の一つとして周囲にしっかりと認識されているのだ。
 顔の一部を簡単に切り離す事は出来ない。視力を補う方法の一つではなく、メガネは自らの分身であるという“メガネ愛”。この揺るぎない感情がある限り、メガネ戦士は永遠に不滅なのである。